歯科診療所の平均的な資産負債の状況

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院を支援する公認会計士・税理士が、歯科医院の経営に役立つ情報をご提供します。

今回は、歯科診療所の平均的な資産負債の状況(貸借対照表)について説明します。

 

 

歯科診療所の資産負債の状況

中央社会保険医療協議会(厚生労働大臣の諮問機関)の2013年11月の実態調査によると、歯科診療所の資産負債の状況の平均として、下表のとおり結果報告されています。

 

歯科診療所の資産負債の状況(貸借対照表 単位:千円)
Ⅰ 流動資産 21,571 Ⅴ 流動負債 7,950
Ⅱ 固定資産 28,672 Ⅵ 固定負債 18,603
Ⅲ 繰延資産 551 Ⅶ 負債合計 (Ⅴ+Ⅵ) 26,553
Ⅷ 資本合計 24,240
Ⅳ 資産合計 (Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ) 50,794 負債資本合計 (Ⅶ+Ⅷ) 50,794

この金額は、個人開業と医療法人の区別はされておらず、1歯科診療所あたりの平均金額になっています。

 

上記の数値を使って、歯科診療所における財務の安全性の指標の平均的な値を計算してみます。

 

 

自己資本比率

自己資本比率は、返済が不要な自己資本が総資産に占める割合で、この比率が大きいほど安定性が高いといえます。

自己資本比率
=資本合計÷(資本合計+負債合計)
=24,240千円÷(24,240千円+26,553千円)
=48%

 

流動比率

流動比率は、短期的な支払能力を表す指標で、150%以上が望ましいとされています。

流動比率
=流動資産÷流動負債
=21,571千円÷7,950千円
=271%

 

固定長期適合率

固定長期適合率とは、回収に時間がかかる設備投資等の固定資産を、長期資金でどのくらい賄っているかを見るもので、財務安定性の指標になります。値が低いほど安定性が高くなります。100%を超える場合は、資金繰りがかなり厳しい状態になっているといえます。

固定長期適合率
=固定資産÷(資本合計+負債合計)
=28,672千円÷(24,240千円+18,603千円)
=67%

 

上記の結果、歯科診療所の財務状況は、他業界に比べて財務安全性が高いと言えます。

 

 

おわりに

医業収入や儲けという損益状況に比べると、資産負債の状況というのは軽視されがちですが、健全な歯科医院経営には欠かせない情報になります。この平均数値と自分の歯科診療所の数値を比べてみて、もし自分のところの数値が良くない場合は、その原因を分析して改善の糸口を見つけてください。顧問税理士などに相談すると良いと思います。

 

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。