歯列矯正の収入はいつ計上すればいいのか

はじめに

こんにちは、東京港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院を支援する公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。

今回は、歯科医院の診療収入のうち、歯列矯正にかかる収入をいつ計上するのかについて説明したいと思います。

 

 

収入を計上する時期

会計や税金の世界では、収入(売上)を計上する時期について厳しく定めています。
なぜかというと、収入の計上を好きな時期に自由にできてしまうと、利益操作が簡単にできてしまうからです。

例えば、
「今年は利益がたくさんでたから税金も多くなってしまうなあ。これ以上税金は払いたくないから、この収入は来年に持って行こう。」
なんて考える人がでてくるかもしれません。

そのような不正を防ぐために、収入の計上時期が決められているのです。

 

 

歯列矯正の収入の計上時期

歯列矯正には、通常数年という長い治療期間が必要になります。

歯科医師が歯列矯正治療を行う場合には、歯列矯正装置の代金や装着料のほかに、その歯列矯正治療の始まりから終わりまでの全期間を通しての基本料金としての性質を有する報酬を、歯列矯正治療の開始した時点で患者さんに請求して、一括で受領する場合も少なくありません。

このような、歯列矯正治療にかかる報酬・料金の売上計上時期は、歯科医院と患者さんとの契約のカタチに応じて次のようになります。

  1. 歯列矯正装置を患者さんに装着するなどの一定の役務の提供を行った時に、基本料金などの全額を患者さんに請求して受領するような契約の場合(一括で請求する場合)には、基本料金などの全額について、その一定の役務の提供を了した日(歯列矯正装置を患者さんに装着するなどをした日)に収入として計上します。
  2. 期間の経過または役務の提供の程度などに応じて、所定の基本料等を請求し受領することとしている場合(一括で請求するのではなく分割で請求する場合)には、その期間が経過した日又はその役務の提供を了した日に収入として計上します。
  3. 上の2つ以外の場合は次のようになります。
    • 支払日が定められている場合には、その支払日に収入として計上します。
    • 支払日が定められていない場合には、その支払を受けた日(請求があった時に支払うべきものとされている場合には、その請求の日)に収入として計上します。
    • ただし、上の1、2のうち、支払日が歯列矯正治療の完了した日よりも後にされているものについては、歯列矯正治療を完了した日に収入として計上します。(つまり、歯列矯正治療が完了した日よりも後の日付では収入を計上することはできません。一番遅くても歯列矯正治療が完了した日が売上を収入する日になります。)

 

 

おわりに

税理士を探している歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。