歯科医院の資金繰り 入出金のズレについて

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院を支援する公認会計士・税理士が、歯科医院の経営について解説します。

 

今回は、歯科医院の資金繰りを管理するために理解する必要がある、入出金のズレについて説明します。

 

 

入出金のズレ

現金で買って現金で売るという「現金商売」といわれる事業(例えば、街の古本屋さんなど)の場合は、商品やサービスの流れとお金の流れが一致しているので、資金繰りの問題は生じません。

しかし多くの事業では、

  • 商品を仕入れたら、その場で現金で払うのではなく後日支払いをする
  • 商品を販売したら、その場で現金で受け取るのではなく後日入金される

というような「掛け取引」(ツケ)によって商品やサービスを売買しています。

このように掛け取引を行っている事業の場合は、入金と出金のタイミングにズレが生じてしまいます。

 

売上が増えて事業は順調であるはずなのに、なぜか手元には現金がない。そして、支払いに間に合わずついには倒産してしまった。これがいわゆる、「勘定あって銭足らず」(売上・利益はあるのに現金がない)、黒字倒産です。

このような最悪な事態を防ぐために、資金繰り管理を行って、お金の流れを把握する必要があるのです。

 

 

歯科医院の入出金のズレ

多くの事業と同様に、歯科医院にも次のような入出金のズレが生じます。

  • 国保や社保といった保険診療報酬は、窓口で3割入金されるが、残りの7割が入金されるのは2ヶ月も先になってしまう
  • 一方、歯科用材料・医薬品の仕入れや歯科技工所への支払いは1か月後と入金よりも先にきてしまう

 

「先月は患者さんが多くて儲かったはずなのに、なぜか今月は手元にあるお金に余裕がないなあ」、このようなご経験がある歯科医師先生も多いのではないでしょうか。

歯科医院は、入金より出金が先行する形になり、また、借入金の返済や人件費の支払いなども毎月あるため、資金繰りが厳しい業種であるとえいます。

そのため、しっかりと資金繰りを管理して入出金のタイミングをつねに把握する必要があるのです。

 

 

おわりに

売上(診療報酬収入)や利益を把握されている歯科医師先生は少なくないですが、キャッシュフロー(現金の流れ)を把握されている歯科医師先生は多くはありません。

ビジネスの世界では一時期、現金に重きをおくキャッシュフロー経営というのがもてはやされましたが、これは一過性の流行で終わるものではなく、ビジネスの基本になります。歯科医院の経営においても売上・利益だけでなくキャッシュフローも大切にしてくださいね。

 

税理士を探している歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。