歯科医院の消費税 簡易課税とは 原則課税と比べて得なのか

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院を支援する公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。

 

今回は、歯科医院の消費税の計算方法の1つである簡易課税制度について説明したいと思います。

 

 

原則課税と簡易課税

消費税の計算方法には、原則課税と簡易課税という2とおりの方法があります。

原則課税制度

  • 消費税を計算する原則的な方法
  • 計算に手数を要する

簡易課税制度

  • 一定の条件を満たす中小事業者のみに認められている消費税の計算方法
  • 計算が比較的簡単

 

原則課税と簡易課税のどちらで消費税を計算した方が、お得になる(納める消費税が少なくて済む)のかは、実際に原則課税と簡易課税の二通りで計算して比較してみないと分かりません。

一般的に、コンサルティング会社、ソフトウェア・システム開発会社、税理士事務所などの士業事務所といった、経費のうち人件費など消費税のかからない経費が占める割合が高い業種の場合は、簡易課税を選んだほうが得する場合が多いです。

歯科医院についても、人件費や減価償却費といった消費税のかからない経費が多いため、簡易課税で計算した方が得する場合が多いと言えます。

 

 

簡易課税の計算方法

簡易課税では、消費税を次のように計算します。

消費税の納付税額 =
( 課税売上高 × 消費税率 ) - ( 課税売上高 × 消費税率 × みなし仕入率 )

 

この計算式を見ると分かりますが、簡易課税では仕入れや経費の支払いにかかる消費税は一切出てきません。売上にかかる消費税のみを使って、仕入れ・経費にかかる消費税を概算で計算することに大きな特徴があります。

簡易課税によって概算で計算した仕入れ・経費にかかる消費税が、実際に支払った仕入れ・経費にかかる消費税よりも大きくなる場合は、簡易課税の方がお得になります。

また、仕入れや経費の支払いにかかる消費税を1つ1つ集計しなくていいため、日々の帳簿付けが簡単になります。

 

歯科医院の課税売上高とは、自由診療報酬やブラシ等販売収入、事業用固定資産の売却代金などが該当します。保険診療収入は課税売上高にはなりません。

歯科医院のみなし仕入率については下記ページを参照下さい。
歯科医院の消費税 間違えやすい簡易課税のみなし仕入率

 

 

簡易課税で消費税を計算できる条件

だれでも簡易課税で消費税を計算できるわけではありません。

簡易課税を適用するためには、次の2つの条件をともに満たす必要があります。

  • 簡易課税を適用して消費税を計算したい年の、前々年の課税売上高が5,000万円以下である
  • 簡易課税を適用して消費税を計算したい年がはじまる前日までに、税務署に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している。

 

 

簡易課税の注意点

簡易課税を一度選択すると、2年間は原則課税に変更できなくなります。

歯科ユニットの増設や歯科医院の改装・拡張・移転などの大きな設備投資を予定されている場合は、簡易課税では損をしてしまう恐れがあるので注意してください。

簡易課税を選択する場合は、設備投資など将来の計画を加味したシミュレーションを行う必要がります。

 

 

おわりに

原則課税、簡易課税の選択については税理士に相談することをおすすめします。

税理士を探している東京都の歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。