当座比率とは | 歯科医院の安全性分析-6

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院を支援する公認会計士・税理士が歯科診療所経営のための財務分析について解説します。

今回は、流動比率と同じく短期的な支払い能力を分析するための指標である当座比率について説明したいと思います。

 

 

当座比率とは

当座比率とは、流動負債に対して、当座資産がどのくらいあるかを表すもので、短期的な支払い能力の指標になります。

当座比率は次の式で計算します。

当座比率 = 当座資産 / 流動負債

 

当座資産
現金、預金、医業未収金など
流動資産とは1年以内に現金化される資産をいいますが、当座資産とは流動資産のうちすぐに現金化することができる資産のことをいいます。流動資産のうち在庫・棚卸資産(歯科用材料や医薬品等)などは当座資産には含まれません。

 

流動負債
支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払費用、前受金、預り金など
流動負債とは1年以内に支払期限が到来する負債をいいます。

 

当座比率が高いほど、短期的に支払わなければならない負債に充てることができる換金性の高い資産が多くあることを意味しており、財務安全性が高いといえます。

当座比率は100%以上が理想とされます。
当座比率が100%とは、短期的に支払わなければならない負債の金額と同額の当座資産がある状態になります。

歯科医院においては、患者さんの自己負担分の窓口入金が日々ありますし、保険診療にかかる社会保険診療報酬支払基金や国保連合会などの審査支払機関に対する医業未収金も2ヶ月後には入金されるため、当座比率が75%程度あれば問題ないといえます。

 

 

当座比率と流動比率の違い

当座比率と同様に短期的な支払い能力を分析するための指標に流動比率があります。

当座比率 = 当座資産 / 流動負債
流動比率 = 流動資産 / 流動負債

この算式のとおり当座比率と流動比率の違いは、分子が当座資産なのか流動資産なのかの違いになります。

 

流動資産のうち換金性が高い資産が当座資産になるので、金額の大きさは

当座資産 < 流動資産

になります。

当座比率は流動比率と比べて、より厳しめに短期的な支払い能力をみる指標であるといえます。

 

流動比率についてはこちら
流動比率とは | 歯科医院の安全性分析-5

 

 

おわりに

公認会計士資格を持つ税理士をお探しの歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。歯科医院特有の会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。